本展について

青木繁の画業を顕彰する、2年に一度の新人画家の登竜門。

「青木繁記念大賞ビエンナーレ」は、1992年開催の「第1回青木繁記念大賞公募展」からスタートし、作家の創作意欲を奨励するとともに、広く美術界の振興と、地域芸術文化の普及向上に寄与することを目的に開催してまいりました。事業名称を変更しつつも、長きにわたり、多くの皆様にご出品、ご鑑賞いただきましたことを心より感謝申し上げます。
公募展開始から30年経たことを区切りとして、「青木繁記念大賞ビエンナーレ」は、第7回展をもって終了いたしますが、若手作家の飛躍と芸術の振興を目指して開催いたしますので、最終回にふさわしい皆様の熱意そして創意あふれる作品をお待ちしています。

青木 繁 あおき・しげる(1882~1911)

明治15年(1882)7月、久留米市荘島町に生まれる。
郷土の画家・坂本繁二郎とは、同じ年の生まれで、高等小学校でも同級となる。中学を退学し、17歳で上京、小山正太郎の洋画塾不同舎に入門、翌年東京美術学校(現:東京藝術大学)に入学する。
青木繁は、文学的な発想を好み、ただ絵の技術だけで事足れりとせず、美術の本質は何かという内省的な態度で、絶えず観念の世界とのつながりを追求していたという。明治44年(1911)3月に、28歳という短い生涯を閉じるまでの間、「海の幸」「わだつみのいろこの宮」(ともに重要文化財)をはじめとする幻想的な名作を描き、明治洋画・浪漫派の鬼才として名を残した。

賞 ※奨励賞を5点から10点に増枠し、オーディエンス賞を新設しました。

大賞 1点 副賞200万円
石橋財団賞 1点 副賞100万円
西日本新聞社新人賞 1点 副賞50万円
特別賞(テレビ西日本賞) 1点 副賞30万円
特別賞(わだつみ賞) 1点 副賞20万円
優秀賞 4点 副賞10万円
奨励賞 約10点 副賞5万円
オーディエンス賞 1点 副賞 地元特産品5万円相当
入 選 約70点 入選証

審査員(五十音順敬称略)

遠藤 彰子(えんどう あきこ)

武蔵野美術大学名誉教授、二紀会理事、女流画家協会委員、画家

経歴等
1947年東京都生まれ
1968年武蔵野美術短期大学卒業
1978年昭和会展・林武賞受賞 <「広場」 80変>
1979年安井賞展出品(以後86年まで出品)
1986年安井賞展・安井賞受賞 <「遠い日」 200F>、
文化庁・芸術家在外派遣研修(~87年)
2006年二紀会展・内閣総理大臣賞 <「見しこと」500F×2>
2007年平成十八年度芸術選奨文部科学大臣賞受賞(美術部門)
2014年紫綬褒章受章

作品収蔵先

文化庁、東京国立近代美術館、横浜美術館、富山県立近代美術館、府中市美術館、他多数

絹谷 幸二(きぬたに こうじ)

東京藝術大学名誉教授、日本芸術院会員、独立美術協会会員、文化功労者、画家

経歴等
1943年奈良県生まれ
1966年 東京藝術大学絵画科油画卒業、大橋賞を受賞
1967年第34回独立展、独立賞受賞
1968年東京藝術大学大学院修了、独立美術協会会員に推挙される
1971年渡伊しヴェネツィア・アカデミア入学。アフレスコ画を研究(〜73年)
1974年第17回安井賞受賞
1987年第19回日本芸術大賞受賞
1989年第30回毎日芸術賞受賞
1997年長野冬季五輪公式ポスター原画制作
2001年第57回日本芸術院賞受賞、日本芸術院会員に任命
2009年絹谷幸二賞が毎日新聞社後援で創設される
2010年東京藝術大学の名誉教授となる
2014年文化功労者
2015年NHK放送文化賞受賞
2016年「絹谷幸二 天空美術館」開館
2021年文化勲章受章

中山 忠彦(なかやま ただひこ)

日本芸術院会員、日展顧問、白日会会長、(公財)市川市文化振興財団理事長、市川市名誉市民

経歴等
1935年福岡県小倉市(現北九州市)に生まれる
1953年上京し、阿佐ヶ谷洋画研究所に学ぶ。伊藤清永に師事
1954年第10回日展初出品、初入選
1956年第32回白日会展入選
1980年第56回白日会展 内閣総理大臣賞受賞
1993年中山忠彦展(大分県立芸術会館ほか)
1996年第28回日展 内閣総理大臣賞受賞
1998年日本芸術院会員
2001年第1回伝統からの創造21世紀展(東京美術倶楽部)
2002年白日会会長
2009年日展理事長(~2013年)

撮影:表恒匡

福永 治(ふくなが おさむ)

京都国立近代美術館館長、多摩美術大学彫刻学科客員教授、美術評論家連盟会員、美術評論家

経歴等
1955年広島県生まれ
1980年上智大学 文学部哲学科 卒業
1982年呉市立美術館 学芸員
1996年広島市現代美術館 学芸課・課長補佐
1999年東京都現代美術館 普及部長
2003年国立新美術館設立準備室 調査官
2006年国立新美術館学芸課長
2008年国立新美術館 副館長
2013年広島市現代美術館 館長
2021年泉美術館 特別顧問 京都国立近代美術館館長

安永 幸一(やすなが こういち)

福岡市文化政策(美術部門)アドバイザー、福岡文化連盟副理事長、(一財)豊福知徳財団理事長、美術評論家

経歴等
1939年福岡市生まれ
1963年九州大学文学部美学美術史専攻卒業
1969年長崎県立美術博物館学芸員
1974年福岡市教育委員会で福岡市美術館開設に携わる
1981年同美術館学芸課長
1999年福岡アジア美術館初代館長
2004年同美術館顧問(~2014年)

第6回青木繁記念大賞ビエンナーレ 審査結果